マニラ近郊(路上の子ども・ごみ処分場地域)
フィリピンには、25万人以上の路上の子どもが存在すると言われています。その数は誰も正確に把握できておらず、住所や出生登録自体がされていない子どもたちは、統計上の数字にすら表れることがありません。
日々の空腹や、家庭内での暴力、さらに社会からの差別や偏見に苦しみ、辛さを忘れるために薬物に手を染める子どもも少なくありません。
廃品回収で得たプラスチックや廃材等の資源を換金することにより収入を得ている人びとの多くは、法定最低賃金の1/4程度の収入しか得られず、一日に三回の食事が出来ず極度の栄養失調の状態にあることが少なくありません。
電気や上下水道等の社会インフラ設備や公共サービスへのアクセスも安定しておらず、さらに劣悪な衛生環境が住民に深刻な健康被害をもたらしています。
ミンダナオ島(紛争下・先住民地域)
フィリピン南部のミンダナオ島では、政府軍と反政府軍 (MILF)との間で、40年以上武力衝突が続いています。この紛争のために、過去20年間で約12万人が殺害され、約200万人が土地を追われました。長年続く武力衝突や政情不安により、社会インフラの整備はフィリピン国内での最低水準となっており、山奥に位置し社会インフラの整備が遅れている先住民地域も存在します。
自然災害
7000以上の島からなるフィリピンは、地震、火山、台風等あらゆる種類の自然災害の影響を容易に受ける国のひとつで、気候変動によってその脆弱性はさらに増しつつあります。
社会サービスが成熟していない地域での災害は、発災直後には自治体の自治・サービス機能が止まってしまうこともあるため、被災地へは迅速に必要な物資や労働力を届けることが必要不可欠です。