アイキャンマンスリーレポート2022年7月号

<ボランティア・寄付活動推進事業>「一歩の勇気と行動が交流の輪を広げる 」

私には忘れられない経験があります。それは、フィリピン・セブ島で「路上の子どもたち」と出会ったことです。彼らは破れかけた服を身にまとい、道の隅に横たわっていました。初めて貧困の世界を目の当たりにした私は「貧困で苦しむ人々のために、自分ができることをしたい」と強く思いました。これがアイキャンでインターン活動に挑戦しようと思ったきっかけです。
インターンとしての主な活動は、かつてフィリピン最大のごみ処分場であったパヤタス地区で暮らしているお母さんたちが手作りした商品を取り扱う、オンラインフェアトレードショップ「Kaya ko!」の運営です。販売商品の魅力をより多くの人々に伝えるために、Instagramを始めとしたSNSを利用して広報活動に励むだけではなく、高校生がフェアトレードについて実践的に学ぶことを目的としたワークショップ運営などを行っています。
6月には名鉄百貨店で「グローバルスマイルフェア※1」(※1:「フェアトレード」などをテーマに、人や自然にやさしく社会や環境の改善に貢献するアイテムを取り揃えたイベント)が7日間開催され、Kaya ko!の商品を販売しました。私はこの経験から、接客の難しさを痛感しました。商品に関する十分な知識がありながら、お客様を目の前にすると思うように話すことができず、その結果、「お客様に声をかける」という一歩をためらってしまい、初日は売り上げを伸ばすことができませんでした。しかし、素敵なお客様との出会いが、私に大きな変化をもたらしました。その方は「しあわせのくま※2(※2:Kaya ko!の看板商品で写真中の大きいくま)に一目惚れしたの。こんな素敵な想いが込められたくまちゃんと出会えて、幸せよ」と話してくれ、その瞬間、とても温かい気持ちに包まれ、「上手に説明する必要はない。商品に込められた想いを丁寧にお伝えすることが大切だ」と気づくことができました。それから、商品に興味を持ってくださったお客様に感謝の気持ちを込めて、パヤタスのお母さんたちが丹精込めて作った商品の製作過程や背景、商品を買うことが現地の人々の笑顔の花を咲かせることに繋がるとお話しました。その結果、たくさんのお客様から「今後もフェアトレード商品を積極的に購入したい」と嬉しいお言葉をいただき、交流の輪を広げることができました。
この経験から「一歩の勇気と行動が交流の輪を広げる」ことを強く実感しました。インターンとしての活動は、残り1か月しかありませんが、より効果的なフェアトレード商品の発信方法を学び、フェアトレードで繋がる交流の輪をさらに広げていきたいです。

執筆者プロフィール

ICAN日本事務局
浅野 未空
愛知県の私立大学で国際協力について学んでいる。事務局インターンとして2022年3月より現職。

 

<フィリピン事業>トンド貧困地区における食糧提供

コロナ禍で収入が減少したトンド地区において、地元のNGOからの寄付により、371世帯へコンビーフやチーズ等の食糧を提供しました。村の役員であるマーリーさんからは、「この地域では、ごみを漁って食糧を探す住民もたくさんいます。でも、村としては予算がなく、そのような住民を支えることができなかったので、食糧の提供に感謝いたします」との言葉をいただきました。

 

<ボランティア・寄付活動推進事業>街頭募金活動を実施しました

インターン生1名、聖霊中学校から4名、聖霊高校から11名の合計16名で街頭募金活動を実施しました。今回の募金は「子どもの家」のクラウドファンディングへの寄付として募集しました。梅雨のじめじめした天気にも負けず、90分の活動で79人の方がご寄付くださりました。参加した中学生は「小さいお子さんまでも募金に協力してくれて、心が温かくなりました」と感想を話してくれました。