マンスリーレポート2022年2月号


<ボランティア・寄付活動推進事業>「皆さまの温かいお気持ちを、責任を持って現地へお届けいたします」

アイキャンでは年間を通して、未投函の官製ハガキや未使用の切手、テレフォンカードや商品券などの物品寄付を募集しています。送られてくるご寄付には「少しですがお役立てください」「お体大切に頑張ってください」など、心温まるメッセージが添えられているものも多く、スタッフの励みになっています。一方で、物品寄付について、「どのように活動に役立てられるのでしょうか」とご質問をお受けすることが時々ありますので、ぜひ知っていただけたらと思います。
結論から申しますと、ハガキや切手は、郵便局で新品の100枚綴りの切手シートに交換した後に、金券ショップで現金化します。切手シートに交換することで、金券ショップでの換金率が非常に良くなるためです。これは、皆さまからのお気持ちを少しでも価値のある形へ変えるための工夫ですが、そのためにはお送りいただいたハガキや切手を、全て仕分けて丁寧に数えなければなりません。非常に手間のかかるこの作業において、多くのボランティアさんのお力をお借りしています。また同様に、テレフォンカードや商品券もそれぞれ現金化することで、フィリピンの路上の子どもたちの保護や、貧困地区における給食活動等の活動に役立てられています。
しかし、コロナ禍においては、感染拡大の影響により、ボランティアさんのお力が必要な時期に受け入れを中止せざるを得ず、職員が総出で集計作業に取り掛かった時もありました。1月から2月にかけては、1年でも最も多くの物品寄付をお送りいただく時期のため、1日の受け入れ人数を制限し、入り口での検温・手指消毒等、感染対策を徹底することで、ボランティアさんのお力添えをいただき、作業を進めることができています。お忙しい中、貴重なお時間を割いてご協力くださるボランティアさんたちのおかげで、活動が成り立っていると言っても過言ではありません。そして、毎日事務所に届けられる郵送物を拝見していると、「自分にできることで、危機的状況にある子どもたちの力になりたい」と思ってくださっている方々が、全国にこれだけ多くいらっしゃる、ということに感激させられます。一つ一つのご寄付に込められた想いを、少しも無駄にせず、現地の人々・子どもたちのもとに確実にお届けすることこそ、私たちの役割だと感じております。
物品でのご寄付は、たくさん集まれば集まるほど、大きな力となります。お手元にもうお使いにならない官製ハガキや切手があって、「少量でも役に立つかな」と迷われている方がいらっしゃいましたら、ぜひその温かいお気持ちをお寄せください。また、アイキャンはブックオフコーポレーションと提携し、「キモチと。」プログラムを実施しています。不要品の買取価格がご寄付としてアイキャンの活動に役立てられる仕組みです。12月後半から約2カ月に渡り「買取金額10%UPキャンペーン」を実施したところ、普段の約3倍の方からのご寄付のお申し込みをいただきました。キャンペーンは終了しますが、「キモチと。」プログラムは通年実施していますので、「もう使わないもの」でも、フィリピンの子どもたちを応援していただけたら幸いです。

執筆者プロフィール

ICAN日本事務局
長谷川 薫
神戸大学を卒業後、一般企業にて貿易実務を担当。専業主婦として13年間過ごした後、2017年より現職。

 

フィリピン事業>商品パッケージのデザイン研修を実施

元路上の青少年が運営する協同組合「カリエ」が商品パッケージのデザイン研修を受講しました。市販の商品のパッケージ等から、デザインのポイントを学んだあと、カリエの特長が伝わる独自のデザインを作成しました。参加したエンジェルさんは「カリエの特長として、路上の子どもの権利の啓発活動もしているので、そのことが伝わるようなデザインを考えました」と話してくれました。

 

<ジブチ事業>「子どもの広場」が完成しました

外務省「日本NGO連携無償資金協力」事業において、ホルホル難民キャンプの子どもたちが安心・安全に遊べる「子どもの広場」の建設が完了しました。子どもたちからは「家の近くに遊べる場所ができて、とても嬉しい。妹と一緒に遊びに来たいです」や「これまでは足場の悪い場所で遊んでいて、友達が怪我をしてしまった。ここなら足場も整っているので、友達と来るのが楽しみ」等の声が聞かれました。