アイキャンマンスリーレポート2023年4月号

能力強化事業「 フィリピンで出会った、『ともに』活動する人々 」

<3年半ぶりに開催された 現地 スタディツアーに参加>
インターン生の徳重です。私は、アイキャンが運営する児童養護施設「子どもの家」や、元路上の若者たちの協同組合「カリエ」の活動を応援する街頭募金を担当しています。そのため、自分が行っている活動が現地でどのように還元されているのかを自分の目や肌で感じてみたいと思い、3月のスタディツアーに参加しました。

<路上の子どもと出会って感じたこと>
特に印象に残っているのは、路上生活をしている子どもたちとの交流です。路上には、破れた服を着て兄弟で抱き合って地べたに横たわる子ども、お金をもらうために信号待ちの車の窓拭きに走る子どもがたくさんいました。私たちが「将来の夢はありますか?」と質問すると、「将来は想像できない」「夢はない」という答えが返ってきました。その日1日のご飯を確保することで精一杯で学校にも通えない中、夢を持つことは難しいのだと思い知らされました。

<元路上の若者たちの想い>
その後、協同組合「カリエ」を訪問しました。「カリエ」のメンバーは、自分たちの力で路上生活から脱却しようと、パン作りやマーケティングなどを学び、ビジネスをしています。コロナ禍で、運営するカフェを閉店せざるを得なくなるなど、これまで様々な困難がありましたが、「カリエ」のメンバーは「自分たちが路上から脱却し、夢を叶えようとする姿を見せることは、路上の子どもたちの希望になると考えると、カリエの活動をやめようとは思えなかった」と言っていました。私は、元路上の若者たちが、自分たちのことだけでなく今も路上にいる子どもたちのことを考えていることに、感銘を受けました。「カリエ」のメンバーが自立しようと頑張る姿を見ることで、路上の子どもたちが路上から脱却しようと思うようになり、将来を思い描くきっかけにもなると感じました。

ICANフィリピン事務局
徳重 結希菜
~プロフィール~
愛知県の私立大学で平和構築のゼミに所属。2022年10月より、日本事務局インターン。

僕のホームは「子どもの家」

2021年に「子どもの家」を卒業し、現在は職業訓練を行う施設で暮らすA君が、「子どもの家」を訪問し、子どもたちやスタッフと再会しました。その職業訓練施設では、一日だけ家族の元へ帰ることができる日があります。A君は、「子どもの家は僕にとってのホームで皆は家族。将来は会計士になるために勉強を頑張っている」と語ってくれました。

高校生が4日間のオンライン研修に参加

長野県上田高等学校の生徒16名がオンライン研修に参加し、ICAN事業地の子どもたちとの交流や、フィリピンのJICA及び日系企業へのインタビューを行いました。参加者からは、「自分の固定観念にとらわれず、対等な人間として現地の人と協力したい」「一緒に成長していこうという気持ちを持って国際協力に貢献していきたい」などの感想が聞かれました。