アイキャンマンスリーレポート2022年4月号


<能力強化事業>「オンライン交流でも心を通わせることができる」

アイキャンは、長野県上田高等学校と2014年度のスタディーツアーへの参加を皮切りに、その後はオーダーメイドの海外研修を通して、国際理解教育を推進してきています。コロナ禍においてはオンラインに形を変え、2021年度は上田高等学校の他に、須坂高等学校、篠ノ井高等学校の生徒も参加しました。「世界の現実に目を向けたい」「貧困問題に対し自分のできることを見つけたい」そんな思いを胸にした生徒15名が、3月17日~20日の4日間に渡り、マニラの路上の子どもたち、アイキャンが運営する「子どもの家」の子どもたち、ごみ処分場地域パヤタスで暮らす人々、フェアトレード生産団体、といった多くの人々との交流を図りました。
初日のオリエンテーションでは、生徒各々が、「自分・仲間・アイキャンに期待すること」の3つを考えました。その中で多くの生徒が「オンラインではあるが積極的にコミュニケーションをとりたい」と発言していたことが印象的です。オンラインでは、対面と比べ、「発言しづらいのではないか」「円滑なコミュニケーションが取れるのだろうか」という不安を生徒たちが持っていることが感じられました。確かに、オンラインでは他の参加者の様子が分かりづらく、普段のコミュニケーション通りにはいかないという声もよく聞きます。
しかし、実際にプログラムが進むにつれ、そのような不安は払拭されていきました。フィリピン現地との交流時には、各生徒から数多くの質問が挙がり、予定時間を押してしまい、時間が足りなくなってしまうほどでした。そして、プログラム終了後には「匂いなどは感じられないものの、ごみ処分場地域の衛生環境の悪さが視覚情報からも十分に分かり、ショックを受けた」「今まで本やインターネットを通じて持っていた知識が、現実味を帯びて感じられた」「オンライン交流を通じフィリピンの人々の温かさを感じることができた」といった感想が聞かれました。情報が限られた中でも、画面越しにいるフィリピンの人々がどのような環境で生活しているのか、どのような思いで日々暮らしているのか、生徒たちが考えを巡らせられたことがしっかりと伝わってきました。
現在、国によっては新型コロナウィルスへの規制は緩和されているものの、日本からの現地ツアーがいつ再開できるのかは見通しが立たない状況です。直接現地へ行き、五感で感じることはやはり貴重な経験になります。しかし今回のプログラムを通して、オンラインであっても初対面のフィリピンと日本の人々同士が心を通わせることができ、かつ日本で暮らす学びたい人たちにも有意義な機会を提供できるのだと実感できました。いち早く新型コロナウィルスが終息することを願いますが、アフターコロナの時代もオンラインを上手く活用し、より多くの方々に国際協力を身近に感じてもらえる仕組みづくりに取り組んでいきます。

執筆者プロフィール

ICAN日本事務局
庭田 美環
大学卒業後、民間企業にて3年間営業職として勤務。2019年10月より現職。

 

<フィリピン事業>「子どもの家」でスポーツフェスティバルを開催

児童養護施設「子どもの家」でスポーツフェスティバルを開催し、17名の子どもが参加しました。バスケ、バレー、サッカー等のチームプレーを通して、コミュニケーション能力や他者への共感、課題解決能力の向上を目指しました。最終日には表彰式を開催し、プールで遊ぶ時間も設けました。ジェイコブくん(仮名)は「試合に勝っても負けても喧嘩しないことが大切と学びました」と話してくれました。

 

<ボランティア・寄付推進事業>街頭募金活動及びワークショップを実施しました

インターン生3名と聖霊高校の生徒8名の合計11名で、街頭募金活動を実施しました。雨でしたが、参加者の頑張りもあり90分の活動で70名以上の方からご寄付をいただくことができました。その後のワークショップでは、フィリピンの現状やフェアトレードについて学習し、参加者からは「フェアトレードについてもっと学んでみたいと思いました!」等の感想をいただきました。