マンスリーレポート2024年2月号
路上の子ども事業 1月13・14日(サンマテオ)
「カリエの夢に近づくための研修」
報告者:事務局長 福田浩之
元路上の若者による協同組合カリエは、収入を安定させて、今も路上生活をする子どもたちに奨学金を提供し、路上から抜け出すための力になるという夢を持っています。その夢に向かい、商品の質の向上のための技術訓練だけでなく、販路拡大にも力を入れてきましたが、コロナ禍でカフェの閉店を余儀なくされて以降、売り上げが伸び悩んでいました。そこで、少しでも売り上げを伸ばして夢に近づくために、販路や宣伝方法等を見直す研修を行いました。特に、最も単価が高いシフォンケーキを中心に話し合い、主な顧客が誰で、どのようなメッセージを出せばその人たちに商品の魅力が伝わるかを考えました。研修後、メンバーの一人は「各商品を誰に売るのかを明確にし、その人たちにとっての魅力を考え、伝えることが重要だと分かった」と話しました。
開発ニーズ調査(委託事業) 1月17~23日(ミンダナオ)
「電力が不十分な先住民地域での課題」
報告者:日本事務局 藤目春子
JICAの委託を受けて株式会社リコーが行う、フィリピンの非電化・電力不十分地域における開発ニーズ調査への協力として、先住民地域の教育の課題を明らかにし、小水力発電の実施可能性を確認するため、ミンダナオ島ブキドノン州の6つの小学校を訪問しました。電線が普及する中、小さなソーラーしかない地域もあり、雨で日照が少ないため電気を使えるのは週に3~4日で、夜中には10Wの電球1個が落ちるくらいしか電力がないという話があり、小水力発電への関心が高いことが分かりました。「教育局へ提出する報告書の作成や、授業に必要な教材やテストの印刷のため、毎月1週間は町へ出て作業する必要があり、その間は授業ができない」と話す教員もいました。今回の調査を基に、3月にはリコーと共同で調査を実施し、小水力発電設置の実証可能地域を特定する予定です。
多文化共生事業 1月27日(岐阜)
「楽しいお喋りの中から引き出した、住民の『困り事』」
報告者:事務局長 福田浩之
アイキャンは、昨年10月より中央共同募金会の助成を受け、岐阜県美濃加茂市で活動するNPO法人ブリッジと協働で、フィリピンにルーツを持つ住民の課題解決に取り組んでいます。先月、住民の「困り事」を把握し、今後必要な行政・NPO・市民の取り組みを特定することを目的に「お喋り会」を開催し、フィリピンにルーツを持つ住民や市役所職員らが参加しました。住民からは、市の好きなところとして「大人向けの無料の日本語学習の場がある」などが挙がった一方、困り事としては「社会保障制度が理解できず、学ぶ機会もない」などが挙がりました。会全体を通して、参加者からは「これまで自分の生活に関して何か思うことがあっても、声を上げる場がなく、このような場は初めてだった」という言葉がありました。今回頂いた声を基に、具体的に何ができるかを話し合う場を設ける予定です。
*赤い羽根ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成を受けて活動しました。寄付をしてくださった方々に御礼申し上げます。
【編集者:天羽より】
2024年3月20~24日開催のスタディツアーでは、協同組合カリエとの交流も予定しています。ぜひ彼らに会いに行きませんか?
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