マンスリーレポート2022年12月号

自分の呼び掛けが『できること』の輪を広げる街頭募金活動

アイキャンの活動は、応援してくださる多くの方々の「できること」によって支えられています。名古屋市内で実施している街頭募金も、その活動の一つです。毎月、学生から社会人の方まで、国際協力に初めて関わる方も「貢献したい」という想いを胸にボランティア活動に足を運んでくださいます。

11月19日には聖霊高校、名東高校、帝京大学可児高校の3校から11名が集まり、元路上の青少年で構成される「カリエカフェ」の自立に向けた新たな挑戦を応援するため、街頭募金活動を実施しました。この日も3名の留学生を含み、ほとんどが初めての参加だったため、参加者自身に路上の子どもたちの現状を知ってもらうところからスタートしました。冒頭の自己紹介ではにこやかだった参加者もマニラの路上の子どもたちの様子や声を交えた説明が始まると、真剣な眼差しで、現地の情報に聞き入ります。そして路上で暮らしている子どもたちについて、それぞれが感じたこと、ショックを受けたことをもとに自ら伝えたいことを考え、みんなで街頭へと向かいました。

街頭に立ち、たくさんの人に対して大きな声で呼び掛けるのは、とても勇気がいることです。はじめは緊張して上手く伝えられないこともありますが、一列に並んで呼び掛けをしていると、最初は小さかったみんなの声が、だんだんと大きくなっていくのが分かります。横に並んだ他の参加者の声に互いに後押しされ、「よろしくお願いします!」という掛け声にも一体感が増していきます。多くの人が通る道で呼び掛けを行っても、関心を持ってもらうチャンスはほんの数秒しかありません。それでも勇気を出して声にした想いに応え、耳を傾けてくださる方や応援してくださる方がいることに励まされます。同時に、自分の伝えたかった世界の現状やそれらを解決するための熱意は相手に届いているのだと実感します。また、実施後の参加者の感想には、「多くの人が協力してくれたことに驚いた」「次に街で募金活動をしている人を見かけたら自分も協力したい」といった声も多く、こうした活動の成果はその日に留まらず、参加者の新たな「できること」へと繋がり、実践の範囲が広がっていくことを実感します。

このように街頭募金活動には寄付を募るだけでなく、まだまだ知られていない路上の子どもたちの存在について呼び掛けるという大切な目的があります。参加者自身が選んだ言葉で伝え、その呼び掛けが他の誰かの行動に繋がることは、まさに「できること」を実践する人の輪を広げる場であり、自分自身がその輪の一部であることを実感する場でもあります。「できること」を通して国際協力への一歩を踏み出す機会でもある、アイキャンの街頭募金活動。その一員として、皆さまも参加してみませんか?

執筆者プロフィール

ICAN日本事務局
古谷 小夏
~プロフィール~
立命館アジア太平洋大学卒業後、2019年10月より現職。

<能力強化事業(NGO相談員)>福井県の高校で英語による講演会を実施

福井県立武生東高等学校の国際科の授業の一環として、NGO相談員として英語で講演を行いました。国際科の2、3年生82名が参加し、講演後には、「路上の子どもたちが学校に行くのが夢だと語っていたことに驚いた」、「課題解決のためにはNGOだけではなく、自分たちも協力することが必要だと思った」などの感想をいただき、国際協力に関する理解を促進することができました。

 

<フィリピン事業>味の素ファンデーションの視察を受け入れ

フィリピンのトンド地区で実施している「食の行動変容プロジェクト」において、味の素ファンデーション3名の視察を受け入れました。これまでの事業の成果と進捗、住民組織の事業への関わり方、そして関係機関の連携についての確認を経て、今後の事業の進め方を話し合うとともに、助言をいただきました。担当者からは、「非常に丁寧に住民組織が形成されており、コミットメントの高さを感じた」などの声をいただきました。