マンスリーレポート2025年12月号
今回も、9月からフィリピン事務所でインターンをしている大学生2名からの報告をお届けします。
温かい食事の力―ボランティアが生んだ300の笑顔
報告者:インターン 齋藤星来
マニラ首都圏の貧困地域には、栄養不良の子どもたちが数多くいます。11月26日、アイキャンがCanvaフィリピンの協力のもと食料を提供する活動に、私たちインターン生も参加しました。
食料提供と聞いて、私は個包装の菓子パンなどを想像していました。しかし実際のメニューは、ご飯、ローストチキン、野菜、果物といった温かい食事で驚きました。アイキャンのスタッフによると、貧困地域の子どもたちは日常的に温かい食事をとる機会が少なく、このようなお弁当はとても貴重なのだそうです。
お弁当を詰める作業にはCanvaの社員有志が多数参加し、300食ものお弁当が手際よく完成しました。お弁当は4つの地域で配布され、どの地域でも住民や村役員が積極的に協力してくれました。受け取った子どもたちは「Salamat po(ありがとうございます)」と繰り返し伝えてくれたり、ハグやハイタッチをしてくれたりしました。幼い子どもたちは言葉こそ少なかったものの、お弁当を大事そうに抱える姿や笑顔が印象的でした。

今回の活動を通じて、温かい食事を届けるために企業や住民など多くの人がボランティアとして動いている姿に感銘を受けました。お弁当を通して、子どもたちに栄養だけでなく温かい気持ちも届いてほしいと思いました。
クリスマスに届ける感謝―子どもたちから“家族”へのカード
報告者:インターン 浦野史彩
フィリピンでは、クリスマスは家族を想う大切な日です。私たちインターン生は、児童養護施設「子どもの家」の子どもたちにとっての“家族”である寮父母やスタッフに、子どもたちから改めて感謝を伝える機会をつくりたいと考えました。そこで、クリスマスツリーの飾りをかたどったカードを作り、子どもたちにメッセージを書いてもらうことにしました。
カードの趣旨を説明すると、子どもたちはすぐに書き始めました。日頃から深く関わっている人たちへのメッセージだからか、多くの子が迷うことなくすらすらと書き進め、中にはカラーペンで可愛く飾る子もいました。メッセージには「いつも支えてくれてありがとう」「僕たちのことを理解してくれて感謝しています」など、具体的で丁寧な言葉が並び、文字もきれいでした。
完成したカードは、クリスマスツリーを模した画用紙に貼りました。さらに飾りつけのため、子どもたちは折り紙で星やサンタなどを丁寧に折り、「できた!」「見て!」と笑顔で見せてくれました。普段あまり折り紙をしない子も集中して取り組み、貼る位置にもこだわるなど、“家族”に良いものを贈りたいという想いが伝わってきました。

出来上がった画用紙を壁に貼り、寮父母やスタッフに見せると、「すごくきれい!」「上手!」と褒めてくれました。カードを読んで笑顔になる“家族”を見て、子どもたちも嬉しそうでした。感謝を伝えるだけでなく、褒められ、喜んでもらえたことで、子どもたちは達成感を味わえたようです。メッセージだけでなく活動中の様子からも、子どもたちの“家族”への想いを私たち自身が改めて感じられる一日となりました。
<編集者:天羽より>
クリスマスが近づき、煌びやかな街の陰で路上の子どもたちはますます孤独感を強めています。
子どもたちに温かい「居場所」として学びの機会や食事を届ける冬募金を、どうか応援してください!
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