マンスリーレポート2025年3月号

伸ばしたい、コミュニケーションの力
報告者:協同組合カリエ ジンボイ

2月27日、「よりよいコミュニケーションの取り方」をテーマに路上教育を実施しました。このテーマにした理由は、路上の子どもの中には、コミュニケーションがうまく取れない子が少なくないためです。その背景には、暴力あふれる路上で汚い言葉を浴びせられたり、自分の話をゆっくり聞いてもらう経験がなかったりすることなどがあります。しかしコミュニケーション能力は、学校でも仕事をする上でも必須であり、子どもたちが今後路上生活から抜け出していくために伸ばしたい力です。
路上の子どもたちは、長い時間じっと座っていたり話を聞いたりすることがなかなかできません。そのため、顔のパーツを描く参加型を取り入れながら、「円滑なコミュニケーションをする上で大切なこと」を子どもたち自身が考えました。子どもたちからは「目は相手の様子をよく伺う。耳は相手の話や意見をきちんと聞く。口は一方的に話さない」などの発表がありました。
 


自由に描く中で学んだ絵画の役割
報告者:児童養護施設「子どもの家」施設長 マリテス
2月は、地域社会における芸術の力やフィリピンの芸術家、国の文化遺産を称える「国家芸術月間」です。2月15日、出張授業の取り組みをしているギノワン高校の美術教師が「子どもの家」を訪れ、絵画のワークショップをしてくれました。まず絵画の重要性や日常の中での役割について、例えば、言葉で表現しづらい気持ちも、絵で表現することができるという話がありました。すると子どもたちからは「雨で外で遊べないときに、絵を描いて過ごせる」「スタディツアーで来てくれる日本の人たちとも絵で交流できる」などの声が上がりました。その後子どもたちは、何でも自由に描いてよいと言われ、丁寧に鉛筆で下書きをした後、絵の具で色を塗りました。色鮮やかに風景を描く子もいれば、白と黒だけで鷲を描く子もおり、教師から「線がとてもきれいで素晴らしい」と褒められていました。一方で「基礎力があればもっと自由に描ける」との話もされ、塗り絵で色鉛筆やクレヨンの使い方を教わりました。
子どもたちが描いた絵は、後日ギノワン高校に展示されました。スタッフと見に行った子どもは「高校に飾ってもらえて少し恥ずかしいけど嬉しい」と話していました。
 


「子どもの家」の近況 ~吉田の出張レポート~
3月はカイミト(英名:スターアップル)が旬です。毎日子どもたちは木に登ったり、長い棒でつついたり、山のようにカイミトをとっています。真ん丸の実を二つにぱかっと手で割ると、甘い香りがふわっと広がり、ミルキーな汁が溢れます。私も大好物!


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【編集者:天羽より】
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