マンスリーレポート2025年2月号
信頼関係の初めの一歩 ~インターン生からの報告
報告者:フィリピン事務所インターン 渋江彩花
フィリピン事務所でインターンをしている大学生の渋江です。1月18日、協同組合カリエと「次世代カリエ」が行う路上教育に同行しました。「次世代カリエ」とは、これまでにカリエから、路上教育の提供者となるための研修を受けた路上の若者たちのグループです。
今回5回目となる「次世代カリエ」の路上教育は、新しい地域での挑戦となりました。そのため前日には、近隣のスーパーに活動の理解を得て開催の許可をとったり、1人でも多くの子どもに参加してもらえるよう地域の路上の子どもたちに呼びかけたりと、たくさんの準備をしていました。
今回の路上教育のテーマは「互いを『知る』」というものでした。これは、カリエと子どもたち、「次世代カリエ」と子どもたち、そして子どもたち同士が、ただの「知り合い」ではなく、互いを深く知り、信頼関係の基盤をつくるためだとカリエのジンボイさんから聞きました。特に子どもたち同士は、路上教育のときだけでなく日々近くにいる存在です。私は、子どもたちが同じ地域に住む顔見知りという関係性に留まらず、今後の路上教育を通して路上生活から抜け出すために励まし合える「仲間」のような関係になっていくための初めの一歩なのだと思いました。
「次世代カリエ」の進行のもと、参加した子どもたち17名は、自分の名前やその意味について共有しました。路上の子どもの中には、名前の意味どころか本当の名前を知らない子もいます。この日参加した子どもの中にも、親がつけた名前を知らずニックネームを発表した子もいたかもしれません。それでも、子どもたちの多くは「自分の名前について皆に知ってもらうことができて、名前を呼んでもらえて幸せ」と話していました。名前を呼んでもらうことは一見当たり前に思われがちです。しかし、親から適切な養育を受けていなかったり、周囲から差別的な扱いを受けたりしている路上の子どもたちにとってはそうではありません。「おい」でも「お前」でもなく、たとえニックネームでも名前を呼ばれることは、「自分」という存在が認められたように感じられるのだと私は思いました。カリエのジョイさんは「名前で呼ぶことは、相手を大切にすること。だから敬意をもって呼ぼう」と子どもたちに伝えました。
今回の路上教育を通して、子どもたちは「自分」を認識してもらう喜びや、相手を敬う姿勢を学べたと思います。今後の活動でさらに「仲間」としての絆を深め、ともに路上生活から抜け出そうと前を向いていってほしいですし、それを導くカリエや「次世代カリエ」の活躍に期待したいです。
<お知らせ>
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【編集者:天羽より】
先月まで実施していた冬募金は、最終日に目標額を達成しました! 温かい応援とご協力をありがとうございました! カリエとともに、これから活動に還元していきますので、引き続き見守っていただければ幸いです。