マンスリーレポート2024年7月号
子どもの家「子どもたちの日常ー掃除を習慣にするまで」
報告者:「子どもの家」施設長 Marites Cangao
ゴミが至る所に散らばる「路上」で生活をしてきた子どもたちには、「掃除」の経験やその概念がありません。私たちにとって「定期的な掃除」は生活の一部ですが、子どもたちにはその習慣がないため、なぜ必要か、なぜ大切かを伝え続けてきました。例えば、衛生を保つことが自分の健康を守ることにつながること、いつか家族を持ったとき大切な人を守ることにもなること、などです。当初は私たちが一緒に掃除をしながらやり方も教えてきましたが、今では子どもたちだけで行うようになり、習慣化していると感じます。
時折、気分が乗らない時に、「そこは後で掃除する子がやるからやらないんだ」と何かしらの理由をつけて怠けようとしたり、「他の子が遊んでいるから床を拭けない」と文句を言う姿を見かけます。そんな子どもらしい面を見せつつも、チームワーク良くお気に入りの曲を歌いながら楽しそうに掃除をする姿を見ると、また一つ、ここ「子どもの家」で、社会生活に必要な力を身につけることができたのではないかと嬉しく感じます。
路上の子ども事業「協同組合カリエに続く『次世代リーダー』の育成」
報告者:フィリピン事務所 Joan Javier
協同組合「カリエ」は、路上で暮らす子どもたちが、危険を伴う路上生活から抜け出せるように活動を続けています。その一つに、各地で「カリエ」のような活動を行う「次世代リーダー」の育成を計画しており、昨年度はそのための研修も実施しました。今回はそれに続き、自分の得意や強みを把握した上で、具体的な活動計画を策定するための研修を実施し、16名の若者が参加しました。
参加者からは「自分自身についてより深く知ることができたし、メンバー一人ひとりの個性も分かったので、各自の強みを活かして活動していきたい」などの感想がありました。
<8月のイベント案内>
◆オンラインイベント 8月24日(土) 10時00分~11時30分
元路上の若者による協同組合「カリエ」のこれまでの活動や今後の目標についてお話する第3回です。立ち上げメンバーのジョネル君が登壇します!
*お申し込みはこちら
<ご協力のお願い>
◆長年の夢、「カリエ」メンバーの来日へ!
「カリエ」来日に向けたクラウドファンディングを、ぜひ応援してください!(8月25日まで)
*詳細はこちら
◆フィリピン台風3号緊急救援ご協力のお願い
7月24日にフィリピンに接近した台風3号の影響によりマニラは甚大な浸水被害となりました。
救援物資提供のためのご寄付を募っています。(8月2日まで) ご協力よろしくお願いします。
*詳細はこちら
【編集者:天羽より】
台風3号による被害状況を写真で見たとき、路上の子どもたちは大丈夫かなと真っ先に心配になりました。被災された方々の命が守られ、少しでも早く元の生活に戻れるよう祈っています。