マンスリーレポート2026年2月号
子どもの主体性を育む「信じて待つ力」
報告者:インターン 齋藤星来
インターンを通じて、児童養護施設「子どもの家」のスタッフが子どもたちと向き合う姿勢から学ぶことが多くあります。その一つが、子どもたちが「自分で考え、行動できる主体的な存在」になることを大切にしている点です。スタッフは常に子どもたちの権利を尊重し、成長のペースを信じて待つ姿勢を大事にしています。
例えば「ゴミはゴミ箱に」という基本的なルール一つをとっても、罰則で従わせるようなことはしません。「罰を避けるために約束を守る」のではなく、「自分で気づき、納得して行動できるようになること」が大切だと考えているからです。成長段階にある子どもたちの「気づきの芽」が育つのを信じて寄り添っているのだと感じます。
また、「子どもの家」では子どもたちとスタッフによる定期的な話し合いの場を設けています。休みの予定や自転車の修理の必要性など、子どもたち自身が生活に必要だと思う議題を提示します。限られた予算の中ではすぐに実現できないこともありますが、「自分たちの生活を自分たちでつくっていく力」が育まれているように思います。
さらに、寄付品の扱いについても透明性を確保しています。現地の慈善団体等から寄付品が届いた際には、まずすべてを子どもたちの前に並べ、彼ら自身に確認してもらい、保管室まで運んでもらいます。かつて他の施設で、子ども向けの物資が職員に持ち帰られてしまう経験をした子もいるため、「子どもたちに届いたものは、必ず彼らの目の前に出す」ことを徹底しているそうです。
これらの取り組みはすべて、子どもたちが「守られるだけの存在」から「自分の人生を自分で選び取る存在」へと育っていくために欠かせないものだと感じます。「子どもの家」のスタッフは、子どもたちの可能性を信じ、主体性が育つ過程を丁寧に見守り続けています。

学びがつないだ希望―教わる側から教える側へ―
報告者:日本事務局 長谷川薫
1月27日、フィリピンと日本をつなぐオンラインイベントを開催しました。路上生活を経験した若者たちが「アイキャンの活動を通してどのように変化したか」を日本の参加者に伝えることが今回のテーマです。登壇したのは協同組合カリエ*の新たなメンバーとして活動する若者4名。事前に描いた“過去の自分”と“現在の自分”の絵を使って、その“変化”を語りました。その中から、ジェイマート君(20歳)の話を紹介します。
「アイキャンの活動で文字の読み書きを教わり、本を読めるようになりました。またカリエの先輩たちからは、路上での生活が当たり前ではなく、他にも色々な選択肢があると教わりました。実際に路上生活から抜け出し、仲間とともに人生を切り拓いていく彼らの姿を間近で見ていて、僕もそんなふうに生きたいと思うようになりました。彼らのもとで学び続けるうちに自信がつき、今ではカリエの一員として子どもたちに教える立場になりました。」
ジェイマート君が描いた“現在”の絵には、教えてもらう側から教える側へと変わった自分の姿が描かれていました。彼のように、活動を通して学び、自信を得た若者たちが「今度は自分が子どもたちの希望に」と立ち上がり、教わる側から教える側へと成長しています。これからも、そのような若者たちの力を伸ばし、より多くの子どもたちが学びと希望を得られるよう、活動していきます。

*カリエ…かつて路上生活をしていた若者で構成される組織。パンや菓子の製造・販売や、路上の 子どもたちへの「路上教育」を行っている。
【編集者:天羽より】
皆さまの応援のおかげで、冬募金は目標を達成しました!ありがとうございました!!これからも路上の子どもたちに「温かい居場所」と「学びの機会」を届けていきます!
