マンスリーレポート2024年4月号

路上の子ども事業 3月(マニラ)
「路上の子どもが無料で使えるシャワーを設置」
報告者:フィリピン事務所 Joan Javier

路上の子どもたちの多くが通学できない理由として、日々の食事のために働かざるを得ないという状況がありますが、他にも、体を清潔に保つことができないという事情があります。毎日シャワーを浴びることができず、体も服も汚れたままで登校すると「汚い」「臭い」と他の子どもたちからいじめられてしまうのです。そこで、路上の子どもが多く暮らす地域の役場に、無料で使えるシャワーを設置しました。子どもたちからは、「たまに市場で水浴びをさせてもらうけど、お金がかかるのであまり借りれません。毎日の稼ぎは食事代でほとんどなくなってしまうからです。でもこのシャワーは無料でいつでも使えるので、これからは毎日シャワーを浴びたいです」などの声が聞かれました。


スタディツアー・研修事業 3月3~10日(フィリピン)
「互いをより深く知ることができた『若者議会』」

報告者:事務局長 福田浩之

名古屋外国語大学現代国際学部の学生4名と教員1名が参加するフィリピン研修を行いました。今回は、かつてごみ処分場があった地域やマニラの路上の子どもたちを訪問するだけでなく、子どもたちとより深く語り合う「若者議会」を実施しました。まず、自分にとって大切な人・ものや、人生の中で一番嬉しかったこと・悲しかったこと、夢を描いて共有し、その後、自分たちの地域・組織の現実を劇で表現してもらいました。そして最後に輪になって二人で1本の紐を持ち、紐で繋がった友達に対して「あなたの地域がこんな風になってほしい」と相手への願いを伝え合いました。参加者からは「『議会』と聞いたときは、国会のように堅苦しいものを想像していました。でも実際は、自分の心の底で思っていることを自分の言葉で相手に伝えることができたし、いろんな人の過去や繊細な部分までを知ることができ、新たな価値観や考え方を得ることができました」などの感想がありました。


子どもの家 3月(サンマテオ)
「飛び級テストに合格した子どもたちの声」

報告者:日本事務局 吉田文

飛び級テスト*に合格した3名の子どもたちから、喜びの声が届きました!
◆ロナルド(仮名)11歳:2年生から6年生に
「とても嬉しいし、6年生になれるなんてワクワクしています。クラスメイトについていけるか心配ですが、もっと勉強を頑張って、いつかどこかにいるおばあちゃんの助けになりたいと思います」
◆クリスチャン(仮名)13歳:2年生から6年生に
「7年生(中学1年生)になることを目標にしていましたが、英語と社会の点数が少しだけ足りませんでした。頑張って勉強していたので残念だけど、来年はなれるようにもっともっと頑張ります」
◆レオ(仮名)13歳:2年生から4年生に
「4年生になれて嬉しいです。今度のクラスでは、実年齢のことでいじめられないと思います。約3年前に『子どもの家』に来た頃は、鉛筆の持ち方もアルファベットも分かりませんでした。今は読み書きできるし、絵の描き方も知りました。次の飛び級テストでは、6年生か7年生になりたいです」

*フィリピンには、The Philippine Educational Placement Test (PEPT) というテストがあり、そのテストの結果に応じて、適した学年に進級できます。


【編集者:天羽より】
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