「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」第5回助成を受けて実施した事業が完了しました。ここにご報告申し上げます。
本事業は「赤い羽根ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成を受けて活動した」ものです。
本助成金の原資は、公益財団法人三菱財団より供出された資金と、企業・市民の皆さまからの温かなご寄付です。皆さまの応援により、岐阜県美濃加茂市において、外国にルーツを持つ子ども・大人の学びと地域参加を支える取り組みを継続・発展させることができました。心より御礼申し上げます。
1.助成概要
活動名:岐阜県美濃加茂市の外国にルーツがある人々への課題提起型の日本語学習拠点の整備
活動地域:岐阜県美濃加茂市(古井地区・太田地区・加茂野地区)
活動期間:2024年10月~2025年9月
2.本助成で行った活動
本事業では、外国にルーツを持つ人々が自らの状況を理解し、主体的に社会参加する力を育む「課題提起型日本語学習拠点」を整備・運営しました。併せて、以下の4つの活動を実施しました。
(1)課題提起型日本語教育の教授法ガイドライン作成
大学の研究者への聞き取りを通じて、言語教育と意識化(課題を言語化し、対話を通じて捉え直すこと)を統合した教授法を体系化し「生活者としての外国人」に焦点を当てた日本語教育の実践指針を整理しました。
(2)Feel度Walk(地域を歩き、風景を共有する対話活動)の実施
美濃加茂市において、外国ルーツの子どもと日本人住民が地域を歩き、写真撮影を通して「気になる風景」を共有しました。企業や大学の関係者も協働し、多文化的視点で地域を再発見する対話の場となりました。取り組みの枠組みは他地域でも応用されるなど、波及も生まれています。
(3)課題提起型日本語学習拠点の整備と運営
美濃加茂市古井地区に拠点を開設し、学齢期の子どもや大人を対象に日本語学習を実施しました。夏休みにはサマースクールも開講しました。学校、市の福祉課、子ども相談センター等から紹介された子どもも通うようになり、拠点は行政・教育機関との連携拠点としても機能しています。
(4)日本語学習を起点としたキャンペーン・地域交流の立ち上げ
学習の中から「自分たちでやってみたい」という声が生まれ、カヌー体験、クリスマス会などの地域交流イベントの企画・運営へと発展しました。言語学習が、地域で「声を上げ、変化を起こす」社会参加の入口として機能し始めています。
3.活動の成果
本事業を通じて、次の成果が得られました。
・課題提起型日本語教育手法の確立:研究者の知見を踏まえ、課題提起型日本語教育の実践指針(ガイドライン)を整理。
・地域協働の促進:大学・企業・地域住民が関わる協働体制が形成され、外国籍住民を「支援の対象」ではなく「共に学ぶ仲間」と捉える意識変化が見られました。
・学びの場の定着:新たに整備した学習拠点が、支援が必要な子どもや家族につながる連携拠点として機能。
・住民の行動変化:学習者の声が起点となり、地域交流の企画・実施へと発展。社会参加の具体的な一歩につながりました。
4.今後について
今後は、学習者の日本語レベルや年齢層の幅に応じたカリキュラム構築、ボランティア指導スキルの底上げ(共通方針・教材整備)に取り組んでいきます。
また、大人向け日本語教育については地元企業との協働により継続し、企業見学や就労に必要な日本語など、暮らしと仕事につながる学びを拡充していきます。
改めて、寄付者の皆さま、関係者の皆さまに感謝申し上げます。アイキャンは、外国にルーツを持つ人々が地域の一員として安心して暮らし、学び、参加できる社会の実現に向けて、引き続き取り組んでまいります。

