1996年~1998年までは物資の提供を行い、1999年からは「ごみ処分場以外での生計を!」を合言葉に生計向上の活動を、2003年からは保健の活動を行ってきました。生計向上の母親たちは、2005年までにフェアトレード生産者団体をつくり独立し、SPNPというフェアトレード生産者団体となりました。また、保健活動でも、当初アイキャンが薬代や医師代を出していましたが、今では、住民主体の協同組合(PICO)が設立され、その協同組合が薬局を運営し、その収入で地域医療センターの診療やデイケア活動等が運営されています。アイキャンは現在、これらの団体に対し、運営費は一切出さず、代わりにこれらの団体の運営強化に重点を置いています。モノをあげ続けるのではなく、持続的なシステムを作るアイキャンのプロジェクトの代表例の1つとなっています。

ICANマニラ事務所(マニラ首都圏ケソン市)
マニラ首都圏ケソン市
 パヤタスにはフィリピン最大のごみ処分場が存在します。この処分場は、リサイクルできる資源を換金することにより収入を得ている4,000人以上の住民のみならず、およそ1万人の生計の源となっています。ごみ処分場でのリサイクル作業等で働く住民の大半が、法定最低賃金の1/4から1/8しか得ておらず、人口の半数は一日3度の食事をとることもままならないため、1度から3度(極度)の栄養失調の状態にあります。コミュニティ全体の60%以上は、適切な家屋を持たず、処分場が崩壊すると生き埋めに遭う危険のある地区に居住し、電気や上下水道などの社会インフラ設備や公共サービスへの安定したアクセスもありません。ごみ処分場からの有毒ガスに加え、水質・大気汚染による、呼吸器疾患や皮膚病、寄生虫症、結核などの感染症の蔓延は、住民に深刻な健康被害をもたらしています。これらの劣悪な環境に加え、処分場閉鎖による生計の喪失の可能性と立ち退きによる住居の喪失の可能性におびえ、人々は生活しています。
1997年~現在
1) 住民組織SPNP(エスピーエヌピー)とともに行う活動
※SPNP(Sikap Pangkabuhayan ng mga Nanay sa Payatas:パヤタスの生計向上のためにがんばる母親達) 
 2000710日に山積みになったごみが崩落し、200人以上の死者・行方不明者を出しました。この崩落事故後、危険なごみ処分場で働き、その収入に頼るのではなく、「ごみ処分場に頼らない生計のあり方」を模索する流れがありました。母親たちは議論を重ね、当時の日本人ボランティア女性が「くまのぬいぐるみの裁縫なら教えられる」と言い、それに対して母親たちが「それならできるかもしれない」と言ったことから実行に移っていきました。母親たちは基本的な裁縫技術からより複雑な技術まで学び、「ごみ処分場に頼ることなく」彼女達の生活は少しずつ向上していきました。
 当初アイキャンは母親たちへの技術訓練を行う傍ら、材料や労賃の提供、デザインの考案等を一手に行なってきました。同時に、少しずつ母親たちの「できること」を少しづつ増やしていき、タスクと責任をアイキャンから母親グループへと移行していきました。母親たちは、コスト計算や値段設定、会計、品質管理、組織運営等の様々な訓練を通して学び、自分たちの組織内で起きる問題や争いなども自らで解決できるように力をつけていきました。こうして2005年に住民組織としての政府登録を果たし、アイキャンから独立した1つの住民組織として、女性グループSPNPが結成されました。
 SPNPは商品開発から販売まですべて独自に行う組織となる一方、アイキャンはモニタリング(毎週)の実施や相談相手となり、また彼女達が作るフェアトレード製品を購入しています。2009年にマニラの災害が発生した際には、アイキャンとパートナー団体として被災者に技術を教えた他、2011年には、アイキャン主催のフェアトレードフォーラムのゲストとして来日し、フェアトレードの重要性を訴えました。
【環境エコポイントによる活動】
 フィリピン最大のゴミ処分場であるパヤタスごみ処分場において、大量のごみとして捨てられてきたナイロン製の横断幕を、低所得地域に住む女性たちが裁縫し、リサイクルをすることで、おしゃれなフェアトレード「エコバッグ」を作成しています。スタッフ雇用や物資購入を通じて、エコバック活動を推進することで、フィリピンの横断幕や日本のレジ袋によるごみが削減され、同時に女性たちの収入が向上しています。



2) 協同組合PICO(ピコ)とともに行う活動

 2003年からアイキャンは、パヤタスコミュニティセンターにおいて診療活動や保健教育、デイケア活動、青少年活動等を毎週定期的に行ってきました。当初は、活動はアイキャンによって育成された地域保健ボランティアが担う一方、薬代や医師代、栄養改善の食費等のすべての経費をアイキャンが支出していました。2010年に地域保健ボランティアが協同組合PICO(ピコ)を設立してからは、協同組合が薬局等の売り上げで、これらの費用をねん出し、このコミュニティケアセンターの活動が継続的に行われています。

(1) 協同組合PICOの強化研修
協同組合PICOを強化するための、コンサルティングや組織運営強化の研修を行っています。
(2) 若者の保健員(ユースヘルスアドボケイツ)の育成
協同組合PICOの地域保健ボランティアは主に30代以上の既婚者から構成されているため、主に10代と20代の若者に対して、新たな地域保健の担い手になってもらうべく研修を行っています。
(3) 若者の技術訓練
地域の若者が技術を身に着け、就職ができるように、若者の技術訓練を行っています。面接の練習や就職先の斡旋も行っており、訓練で終わることなく、一人ひとりの収入の向上を目指しています。
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